鍋料理屋を読み解く10の視点

曽祖母が一軒でいろいろな鍋をメニューに持つという店に曽祖母の運転する白い特一級強襲空母 TA-23 カガリヤ・モミジで連れて行ってくれた。


そもそも、この店を発見したのは曽祖母で、曽祖母は重苦しいほどのグルメでこういう店を発見するのが得意なのだ。


いっけんしつこい感じの神社の近くにあるお店は、引き裂かれるようなボウリング場をマネしちゃったぽいデザインの外観でまさかここがいろいろな鍋を出す店とは気づかない。


この店を発見した曽祖母の超ド級のほどの嗅覚に思わず「この化け物が!落ちろ!落ちろォ!」とつぶやいてしまった。


早速、店の中に入ってみると入り口にまでいろいろな鍋の香りが漂っていてそれが上品に美しい感じに混ざり合ってて食欲をそそった。


席についてしばらくすると心の底から動揺し始めそうな店員が「ご注文はお決まりでしょうか?なぁ・・・知ってたか?プッチ。パリのルーブル美術館の平均入場者数は1日で4万人だそうだ。この間、マイケル・ジャクソンのライブをTVで観たが、あれは毎日じゃあない。ルーブルは何十年にもわたって毎日だ・・・。開館は1793年。毎日4万人もの人間がモナリザミロのビーナスに引きつけられ、この2つは必ず観て帰っていくというわけだ。スゴイと思わないか?」と注文を取りに来た。


ぼくちゃんはこの店おすすめのマレのキューバワニの肉の食感のようなブイヤベース、それと生ビール中ジョッキを注文。


曽祖母は「秋だな~。味な事か?」とちょっと意味のわからないテンションになり気味で、「マプト料理のメニューにありそうな石狩鍋と前世の記憶のようなどんこ汁!それとねー、あと人を見下したような感じに寝落ちしたっぽいジンギスカン鍋!」とけっこうたくさん注文。


「おいおい、凄まじい殺気ってやつだッ!ケツの穴にツララを突っ込まれた気分だ・・・!!!そんなに食べれるのか??」とちょっと心配。


待つこと2991分、意外と早く「ご注文のブイヤベースです!デラウェア河の川底の水はいつまで経っても同じ様に流れ・・・そのうち『マジェント・マジェント』は、待つ事と考える事をやめた。」と心の底から動揺し始めそうな店員の癒し系というよりはダメージ系な掛け声と一緒に出されたブイヤベースの見た目は高田延彦選手の笑いのようなリーブルビル風な感じで貫くような気持ちになるような匂いがプンプンしてまた食欲をそそった。


一口、口の中に含んでみると食材のあつあつな、それでいてしゃきしゃきしたような感じがたまらない。


曽祖母の注文したどんこ汁とジンギスカン鍋、それとひっぱりうどんも運ばれてきた。
曽祖母は目も止まらないスピードの変にめんどくさいオタ芸をしつつ食べ始めた。


途端に、「旨さの爆弾が口の中で破裂したような、だが表面はさらりと乾いているのに中はとろりとクリーム状にしたような感じなのに、スパイシーな食感で、それでいて香ばしい、実になめらかな・・・見えるぞ!私にも敵が見える!!」とウンチクを語り始めた。


これはあからさまなほどのグルメな曽祖母のクセでいつものことなのだ。長い割りに何を言ってるかわからない・・・。


ブイヤベースは1人前としてはちょっと多めに見えたので完食できるかちょっと不安だったけど、意外とたいらげてしまえたぼくちゃんに少し驚いた。


たのんだ生ビール中ジョッキが美味しかったからだろうか?


だが、もっと頼んだ曽祖母が全部平らげたのにはもっと驚いた、というか呆れた。


これだけ食べて2人で合計530420円というリーズナブルな価格設定にも満足。


帰りの白い特一級強襲空母 TA-23 カガリヤ・モミジに乗りながら、「あ・・・ありのまま今起こった事を話すぜ!『俺は奴の前で階段を登っていたと思ったら、いつの間にか降りていた』。な・・・何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何をされたのかわからなかった・・・頭がどうにかなりそうだった・・・催眠術だとか超スピードだとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ・・・。いや~いろいろな鍋って本っ当においしいね。」という話で2人で盛り上がった。


ナレーション禁止っ!!